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2008年2月 2日 (土)

「考古資料大観」第6巻 弥生・古墳時代(青銅・ガラス製品) 

S先週某オクで落札した『考古資料大観』 第6巻 弥生・古墳時代(青銅・ガラス製品)が届いた。この『大観』シリーズ-全巻揃えると50万円を越すというとても個人では購入できないシロモノ。バラ売りもしていないので購入は半ば諦めていたが運良くそれも格安で手に入れることができた。

以前のブログ(07/10/27)で銅鐸のレゾネがないと書いたが、現在この本がレゾネ-「出土銅鐸全カタログ」に最も近いもの。380個の銅鐸の写真が掲載されている(出土銅鐸の約60%)。写真掲載点数としては神戸市博の図録『銅鐸の世界展-地の神へのいのり-』を断然上回っている。ただし、全て白黒なのと片面しか写っていない。惜しむらくはA3-1ページに4点の銅鐸ではなく、せめて2点にして欲しかった。なお写真だけでなく最新の研究成果の概説や巻末にはこれまで測定された青銅製品の鉛同位体比の全データ(1466点/内銅鐸は230点)まで載っている。

Photo_4全編オールカラー、A面B面と両側面、斜め上から見た鈕と舞及び裾部から内面突帯を見た写真-贅沢を言ってもしょうがないが、これぐらいの写真がないと、どんな銅鐸か本当のところはわからない。「銅鐸本」としては、銅鐸研究者のバイブルみたいな本として『日本原始美術 4 青銅器』(1964/講談社)があるが、写真の大きさなら『大観』よりこちらの方がいい(1個につきA3-1ページ使用)。しかしどんなに大きな写真を並べても銅鐸相互の大きさの差は表現できない。

『考古資料大観』のいいところは型式別に銅鐸が通覧できるところ。銅鐸はどの博物館に行っても、同じ型式の銅鐸を並べて見るわけにいかないし、考古資料で便利な実測図も銅鐸は作られていないことが多い(最近出土の銅鐸はともかく古い出土銅鐸では実測図がほとんど作成されていない)。「銅鐸群」に関する研究をトレースするにはこの本はもってこいなのだ。編者の井上洋一さんが「(銅鐸研究)が土器研究のように多種多様な研究者によって行われたならば、どれほど飛躍が期待できることだろうか。こうした思いのもとに、本書は図版入り銅鐸索引を作ることを目的とした」と書いているのもこういった利便性を意識したものだろう。

しかしこの本を眺めているとまたぞろ銅鐸を見に行きたくなってしまう…

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