京都国立博物館の試み「美の計測」-デジタルが生む新たな視座-
昨日、新宿のコニカミノルタプラザで開催中の企画展「京都国立博物館の試み「美の計測」」(7/1~7/20)を見て来た。
最近各地で進められている銅鏡などの三次元計測について詳しく解説されており、理解が深まった。
印象的だったのは、「人間の目」を補ってくれるのが「デジタルの目」だが、デジタルで撮った「人間の目には非現実的な実在の世界」を人間の目が理解できるようにする技術=「データのインプットとアウトプット双方の技術が重要なのである」という解説文。
非現実→実在化というとVR(バーチャルリアリティ)技術がすぐ思い出される。例えばCGや特殊な眼鏡などを通して実際に手に持って見ているように見せる技術がある…今回の展示でも銅鏡に見立てた円板を手で操作してVR映像を見せていた。
しかし今回はその新たな試みの一つとして、「金属粉体を焼結させるデジタル立体造形(粉末積層法)」で銅鏡の金属製レプリカを作成していた!!(おまけに銅・錫の配合比まで似せて…今回は鉛フリー)
京博所蔵の明石銅鐸も計測されており、三次元計測による銅鐸内部の様子、断面図も紹介されていた。銅鏡は錫が20%程入っているので金色がかったシルバーだが、銅鐸は錫が少ないので赤銅色という感じだった(ちょうど10円玉の色)
この他にも立体スキャナー(凸版印刷製)の紹介もあり、1.5m×1.2m×15cmの大きさまで計測可能とのこと厚さがもう少しあれば日本一の大岩山銅鐸も計測可能?!
今回の成果の一部は昨夏、京都国立博物館で研究成果特別公開「古代の輝きを求めて」で発表されていたようだ。昨日夕方には京博の村上隆氏のギャラリートークもあったが残念ながらこちらは聴けず(来週7/9も16:00~,17:00~二回開催される予定)
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