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2015年8月14日 (金)

銅鐸、つり下げて使用か? ひもの一部を初確認 淡路島

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兵庫県南あわじ市(淡路島)で見つかった弥生時代前期末~中期初頭(紀元前3~同2世紀)の「松帆(まつほ)銅鐸(どうたく)」の内部から、植物の繊維製とみられるひもの一部が確認された。県教育委員会などが発表した。銅鐸を木の枝などにつり下げたり、音を鳴らすための青銅製の舌(ぜつ、振り子)を銅鐸上部に開いた穴などからつるしたりしたものとみられる。銅鐸のひもが見つかるのは全国初で、謎の多い銅鐸の使用法の解明や年代測定につながりそうだ。

淡路島で発見の銅鐸内部に「舌」4本 全国で初めて確認

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見つかった7個の銅鐸のうち、大小が二重の「入れ子」状態になって内部に砂が詰まった2組計4個について、奈良文化財研究所(奈文研)がCTスキャンで内部を透視しながら取り外し作業を進めている。1組2個(高さ約32センチと約23センチ)の砂を除去したところ、いずれの鈕(ちゅう、釣り手)にもひもの一部やひもを何条にも35


巻き付けた痕跡が見つかり、舌(長さ約13センチと約8センチ)先端の穴にひもの一部が通っていた。砂中に腐食したひもとみられる有機物もあった。銅イオンに抗菌作用があるため腐食しなかったらしい。

ひもは複数種あり、大きい銅鐸の鈕と舌の部分は植物繊維の束をより合わせた「よりひも」(太さ約2ミリ)、小さい銅鐸の舌は繊維を編んで作る「組みひも」(同約4ミリ)だった。

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また、両方の銅鐸内部にイネ科の植物のものとみられる葉が付着していた。埋める際に混入したらしい。

奈文研の難波(なんば)洋三・埋蔵文化財センター長は「銅鐸は直接手に持って揺り鳴らしたという説もあったが、何かにつり下げて鳴らしていたことがはっきりした」という。奈文研は今後、繊維の分析のほか、ひもや葉の一部の放射性炭素年代測定をして銅鐸の使用・埋納時期を調べる。もう1組も慎重に取り外す方針。

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兵庫県の弥生時代に詳しい森岡秀人・奈良県立橿原考古学研究所共同研究員は「舌を外し、鈕や(本体から張り出した装飾部分の)鰭(ひれ)を垂直にした姿勢で埋めるという銅鐸埋納の『不文律』から、松帆銅鐸は外れている。そうした不文律が徹底される前の最古の様相を示している可能性がより高まった」と指摘する。

銅鐸を研究している春成秀爾(はるなりひでじ)・国立歴史民俗博物館名誉教授は「銅鐸が作られた時期は鋳型などから推定されていたが、今回の発見で、ひもからは銅鐸が使われた時期、植物の葉からは埋められた時期が放射性炭素年代測定で絞り込めるのでは」と期待する。

最古級のものを含む3個の実物、入れ子状の2組のCTスキャン画像やひもなどの写真パネルが16日まで、南あわじ市の滝川記念美術館で展示されている。無料。(編集委員・今井邦彦、赤井陽介)

     ◇

〈松帆銅鐸〉 高さ約21~32センチ、重さ約1~2キロ(一部は不明)の青銅製。4月に石材セメント製造会社の砂置き場で見つかった。元々埋納されていた沿岸部から運ばれたとみられる。鈕の分類によると、1個は全国で約530個確認されている銅鐸のうち11個しか見つかっていない「菱環(りょうかん)鈕式」(弥生前期)で、6個は「外縁付(がいえんつき)鈕式」(弥生中期)。7個は、島根県・加茂岩倉遺跡(39個)、滋賀県・大岩山(24個)、神戸市・桜ケ丘遺跡(14個)に次ぐ過去4番目の大量出土数。舌が入った状態で銅鐸が確認されたのは全国で初めて。

朝日2015年8月14日

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